EndlessPain

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2009-06-07 文章力がなさ過ぎる・・・

Projectscape を使ってみました

これを機にテクニカル系イケメンブロガーに生まれ変わるつもりです。 俊です、こんばんにゃ。

何を書いても物理的に容姿が変わることはないですが、 今日はちょっといつもと違うトーンであなたのハートをキュンキュンさせること間違いなしです。 いいのかこんな導入で。

プロジェクトの見える化と監視

実は僕は今、プロジェクトマネージャ (以下、PM と略す) という仕事に従事しています。 直近でマネージメントしていたプロジェクトでは、サービスインこそ予定通り無事に、 2009.4.1 に迎えることができたけど、結果的に大きな赤字となりました。 このような結果となった要因はたくさんあって、今回はそのことを話そうとは思っていないんですが、 赤字プロジェクトの PM を経験できたことは僕にとって非常に有益な経験だったと思っています。 いや、この経験を有益なものにしなければいけない責任を感じています。

不幸なことに、その赤字プロジェクトと時同じくして、 僕の所属部署ではほぼ同等の規模の赤字プロジェクトがもう一つ発生していました。 二つのプロジェクトはそれぞれがそれぞれの要因で赤字になったわけですが、 この二つの赤字プロジェクトを発生させた僕の所属部署は、当然のごとく、 その原因分析と再発防止の対策を命ぜられ、 特に プロジェクトの見える化プロジェクトの監視 の改善が強く要求されました。

check と action

所属部署が強化しなければいけない点は明白で、予兆を検知し、適切な手を打てる仕掛け作りでした。 PDCA サイクルの C (Check) と A (Action) にあたるプロセスです。 (同業種ならどこの企業も同じかと思いますが) 僕の所属部署は短納期 (数ヶ月〜10 ヶ月以内) のプロジェクトが同時に多数進行し、かつ、 納期が同時期 (年度末) に集中するため、プロジェクトの山谷 (ピーク) がシンクロします。 このため、(デシジョンメーカーはそういうものだけど) 経営層や上級マネージャは複数のプロジェクトに対して、 短い時間で状況を判断し適切なアクションを取ることが要求されます。 PM が発する生の声は、たくさんの有益な情報を含んでいるので、 必ず耳を傾けるべきだと思うけど、 正確な数値に裏づけされた報告 は適切なアクションを取るために必ず必要な要素です。 というか、数値に裏づけされた根拠がないと、正しいアクションが取れないのです。 そのため PM には数値に裏づけされた多角的な報告が求められるし、 多面的に検証しても矛盾のない報告が要求されます。

しかし、短納期のプロジェクトではわずかな進捗遅延でもプロジェクトに与えるインパクトは小さくないし、 最優先されるべき顧客への対応を行いながら、優先度を判断し、タスクを割り当て、 日々発生する問題に対処しているとそれだけで手一杯になります。 スケジュールは短い時間で何度も引きなおされ、 進行している作業がどのくらいで完了し、見込み通り進んでいるのか、 後は何をしなければいけなくて、それにはどのぐらいの工数を要するのか、 考察する時間も検証する時間も奪われていくのです。

そうして数値に裏づけされた正確な報告が困難となり、 適切な check と action は失われ、 ただ目の前の作業を捌くだけのデスマーチが進行していくことになります。 実際は、完全に大火事になると 火が消えるまでに闇雲に大量の水が注がれ、 納期を死守するべく稼働 (人や残業) が投入されていくことになります。 僕の場合もそうだったし、たくさんの人に助けをもらいました。 この場を借りて感謝の意を表します。

プロジェクト管理ツールの統一

株、というのは、予兆を検知し適切な手を打つことが成功への道です。 いや、株未経験者が断言するのもおかしな話ですけど、きっとそうなんだと思います。 そして、予兆を検知するのに一般的に使用されているツールが株価チャートです。 株価チャートは、数値に裏づけされた正確な報告であるし、 いつでも好きなときに簡単に参照できます。 そして出力形式はどこでも同じフォーマットです。 みなが同じツールを使用しているからこそ、 経験則や過去の事象から生まれた予兆を検知するさまざまなメソッドが開発されているし、 それに対するアクションも定型化されます。そこにセオリーが生まれるのです。

セオリーがあれば check にかかる負荷も軽減されるし、 action への精度もあがります。 セオリーが軸になれば、セオリーからはずれた不測の事態も不測の事態だと認識することができるし、 セオリーへのフィードバックも可能となります。

つまり、数値に裏づけされた正確な報告が、 いつでも好きなときに簡単に同じフォーマットで参照可能であることが、 経験則に基づく暗黙知や有能なマネージャが備えている嗅覚のような暗黙知を、 誰でも使用できる形式知に昇華することができるのです。

そこで、数値に裏づけされた正確な報告が、 いつでも好きなときに簡単に同じフォーマットで参照可能な環境を整備するために、 インプットとアウトプットを統一することを目指しました。

仕事の内容やエンドユーザ、会社の仕組みなどのさまざまな要素から、 Trac/Subversion/Mantis などの Web ベースのツールは浸透していました。 これらのツールの有用性や活用法は、多少ではありますが部署内に蓄積されていたため、 懸案管理には Trac、BTS (BugTrakingSystem) には Mantis、 構成管理には Subversion を使用しインプットを共通化することは比較的簡単に決まりました。

ところが、です。肝心の WBS およびスケジュールを管理するツール (以降、スケジュール管理ツール) が容易に決まらないのです。

スケジュール管理ツール

PM として大した経験は積んでいないですが、 いつもスケジュール管理ツールには不満を感じていました。 様々なツールを試したけど、どれもしっくりこないのです。 具体的に使用 (試用) した主だったものは以下のようなツールです。

  • MS Project
  • GanttProject
  • 社内で利用されている EXCEL マクロ A や B や C
MS Project

MS Project は十分な機能を備えているのだろうけれど、高機能すぎて使いこなせない、 ライセンス費用が高い、そして、なんと言っても印刷機能が貧弱すぎです。 最近では、社内の会議はプロジェクタを利用したペーパレスの会議が主流になりましたが、 顧客への進捗報告には紙を利用することが主流です。 全体が俯瞰できて情報が漏れないように印刷できることは必須の機能です。

GanttProject

GanttProject にも同じ不満を覚えました。 また、個人的に Java のクライアントアプリケーションはあまり好きじゃありません。 アプリケーションごとに利用する JRE を調整するため、CLASS_PATH をいじったり、 インストール先に気を使わなければいけなかったり、 大抵、Java を Windows で扱うためには手間が発生します。 いや、Java の開発から離れて 2 年以上経つので最近の Java を取り巻く環境は正直良く知らないんですが、 事実、Java で書かれたクライアントアプリケーションで使っているのは、 最近使い出した XMind ぐらいなもんです。

EXCEL マクロ

上述した 2 つのソフトウェアに比べて、EXCEL はそもそもが文書作成ソフトなので、 印刷機能は申し分ありません。 キメ細かな調整ができるし、見せたいところを強調することも、 見せたくないところを非表示にすること (フィルタ) も思いのままです。 フィルタ機能は重要な機能です。 ステークホルダごとに伝えたいこと・強調したいこと・意識を合わせたいことは異なるからです。 僕は EXCEL を使用する場合「グループ化」という機能でこれを実現しています。 また、マクロを駆使すれば進捗線やイナズマ線を表現したり、日付や進捗率の入力補助を実現したり、 そこそこのものは作れます。 ただ、マウス操作でスケジュール調整ができなかったり、マクロで相当頑張らないと、 直感的な入力機能にはなりません

結果、印刷機能とフィルタ機能を重視し、ここ数年は、EXCEL マクロを使用していました。 入力機能にはずっと不便さを感じていましたが仕方なく、です。

まとめると、僕がスケジュール管理ツールに期待してることは以下のようなことになります。

  • 印刷機能がイケてること
  • JRE が必要ないこと
  • 入力機能が直感的であること
  • 適切なフィルタができること

Projectscape

そんな折り、僕の元会社の上司であるたけうちひとしさんが開発された Projectscape を紹介頂いたので、試用してみました。

このソフトウェアは C# で書かれているようです。 実行環境として .NET Framework は必要ですが、JRE と比べてはるかに Windows と親和性が高いし、 実際困ったこともないので心の負担になりませんでした。

早速インストールして触ってみると、タスクの入力は MS Project や GanttProject 同様のインタフェースで、 戸惑うところはありません。 「WBS モード」と「ガントチャートモード」の 2 種類の入力モードがある点がちょっとニクいです。 確かに MS Project を使っていた時、WBS の一覧とガントチャートの境目を左右にドラッグしながら、 見やすさや入力のしやすさを調整して入力していた記憶があります。 全体の機能からみたら、細かいわずかな機能なのですが、心配りを感じます。

ガントチャートモードでの表示

WBS モードでの表示

WBS に対してきちんと担当者を割り当てると、担当者別ビューが便利そうです。 担当者別に WBS が並び替えられガントチャートやイナズマ線が表示されるので、 人単位での進捗状況を視覚的に確認できます。

担当者別ビュー

力を入れてると言われていた印刷機能は確かに細かい調整が可能です。 印刷期間を日付で指定できることはもちろん「全期間」と「画面と同じ」という入力補助も備えています。 縦・横それぞれで「ページ数」指定でイイ感じに縮尺を調整してくれるし、 列の表示を「全ページに表示する」「何列表示する」がカスタマイズできます。 なんと言っても 画面に表示されてる感じをそのまま印刷に という心意気を感じます。 WBS の表示幅を列ごとにマウスで微調整した結果が、印刷プレビューにも反映されます。 タスク名はこれ以上短くしたくないけど、タスク名の表示スペースを広げて横に間延びした感じで印刷されると、 1 ページに表示できる期間が少なくなるし……などのストレスから解放されそうです。

印刷プレビュー

もう一つ特徴的なのが「進捗レポート」機能です。Trac と連携して、 チケットをインポートすることができ、作業中タスク、遅延タスク、完了タスク、 チケット一覧を、ボタン一つでレポートすることができます。 進捗レポートはテンプレートの編集が可能なため、こちらのブログ で紹介されているように、 一工夫で Trac の Wiki に貼り付け可能な形式へ出力できます。これは練られてますね。

その他、「稼働日の設定」「タスクバーの色の変更」「開始日、今日、終了日などへのジャンプ」など、 一通り必要な機能は揃っている感じです。

Projectscape に期待すること

いままで試用してきたスケジュール管理ツールの中では、かなり理想に近いです。 僕が上であげた

  • 印刷機能がイケてること
  • JRE が必要ないこと
  • 入力機能が直感的であること
  • 適切なフィルタができること

は、ほぼクリアしていると思います。こうなってくると欲が出てくるのですが、 大小含めて言いたいことをすべて上げてしまうと、

  • ガントチャートの中に吹き出しなどでコメントを書き込みたい (PM の見解を表現したい)
  • レポートテンプレートをエクスポート、インポートしたい (所属部署で共有することを考えて)
  • レポートテンプレートを複数使用できるようにしたい (社内ツール連携向け、Trac Wiki 用、顧客向けなど)
  • ソフトウェアを起動してから、ファイルのドラッグ&ドロップで開いて欲しい

あたりでしょうか。正直、印刷機能と、レポートテンプレートで Trac の Wiki (など他のソフトウェア) と連携できるところに、キュンときました。 Projectscape に興味をお持ちになった方は、30 日間機能制限ナシで試用可能なので試して見てはいかがでしょうか。 Projectscape は こちらから試用版をダウンロード することができます。

プロジェクトマネージメントとは

組織としてのプロジェクト管理能力、主に check と action のプロセスを強化するため、 組織内で活用するツールを共通化し、監視コントロールのフレームワークを構築する過程を述べながら、 Projectscape というスケジュール管理ツールを紹介しました。 フレームワークは一朝一夕で完成するとは思っていないので、 いくつかのプロジェクトで試行しつつ、継続して改善を続けるつもりです。

こういったフレームワークを整備することは、組織力を強化するとともに、 プロジェクトマネージャーが本来力を入れるべき仕事 に注力できる、という利点があります。 プロジェクトマネージメントで本当に大事なのは マインド だと僕は思います。 プロジェクトメンバに成功体験を与え、成長させるとともに、 より高い顧客満足度を達成しながら、会社に利益をもたらす。 この 複雑で困難な目標を達成するには、ステークホルダ全員が協力しないと達成できないことを知り、各ステークホルダと密にコミュニケーションを取り、成功へ導く、という強いマインドが必要です。 ツールやフレームワークはあくまでも仕掛けでしかありません。 それをどう活用するのかは、プロジェクトマネージャのマインド次第なんですよね。

ちなみに

浜田ブリトニーによると PM は PlayMate の略で、要するにセックスフレンドのことらしいです。 僕はそんな PM にも従事してみたいものです。

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